皓星社メールマガジン、第49号をお届けします。月に1度、株式会社皓星社の「ざっさくプラス」最新情報、新刊案内、グループ会社の絵本出版・ハッピーオウル社の新刊案内、そして近代出版研究所の活動等を配信します。ぜひお知り合いの方々へ転送、拡散ください。
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目 次
★【特別対談】読書猿×小林昌樹新著刊行記念 なぜいま、“読書”に注目が集まるのか?
☆【連載】趣味の近代日本出版史 第47回(河原努)
★【連載】神保町のんしゃら日記17 2025年5月(晴山生菜)
☆ ざっさくプラスニュース
★ 皓星社出版ニュース
☆ ハッピーオウル社出版ニュース
★ イベント案内
☆ 近代出版研究所だより
★ ハンセン病資料館友の会だより
☆「皓星社友の会」のご案内
★ 編集後記
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★【特別対談】読書猿×小林昌樹新著刊行記念 なぜいま、“読書”に注目が集まるのか?
読書猿(『ゼロからの読書教室』著者)・小林昌樹(『立ち読みの歴史』著者)
2025年4月23日に小林昌樹さんの『立ち読みの歴史』(ハヤカワ新書)が、5月23日に読書猿さんの『苦手な読書が好きになる! ゼロからの読書教室』(NHK出版)が刊行されました。
読書猿さんには、『調べる技術』刊行時に帯文をいただいたり、小林さんが編集長を務める年刊誌『近代出版研究』に寄稿していただいたりしてきました。 そんなお二人が奇しくも同じタイミングで、“読書”を主題とした新刊を刊行、これは皓星社編集部としては黙ってはいられない……!ということで、今月はその応援企画として、お二人による「読書」を巡る特別対談をお届けします!
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☆【連載】趣味の近代日本出版史
第47回 社史のない出版社の歴史を調べるには――夏コミで『出版社「ミニ社史」事典』を出します
河原努(皓星社・近代出版研究所)
■二兎を追う者は一兎をも得ず
日々の仕事や生活に追われてなかなか手を付けられない、私が編集した『出版文化人物事典』(日外アソシエーツ、2013年)の増補改訂。本来この連載はそのための経歴原稿を定期的に書くために始めたところがある。毎月〆切を設ければ、書かざるを得ないので。だから末尾に人物経歴欄が付かない回は、実は本意ではないのである(例えばコミケ同人誌の紹介回や『近代出版研究』裏話回)。
最近は本業が大変忙しく、その上に夏コミ(C106)の原稿準備もあり、このままでは夏コミも連載も落としそうだ、どうするべぇ……と思っていたところ「そうか、二兎を追うのではなくメルマガ連載を夏コミ原稿に流用できる告知にすればよいのだ」との天啓を得た。 ということで、内心忸怩たるものがあるが、今回は人物経歴欄ナシの回です。
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★【連載】神保町のんしゃら日記15 2025年3月
晴山生菜(皓星社)
1日(木) 『鎌田慧セレクション5 自動車工場の闇』の見本の日。収録した『自動車絶望工場』は鎌田さんの出世作だ。ちょうど、日産のニュースが続いている時期でもあり、期せずしてタイムリーな発刊となった。鎌田さんはあとがきでこう書いている。 (……続きを読む)
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☆ざっさくプラスニュース
【先月からの新規登載情報】
新規登載雑誌は、X(旧Twitter)ざっさくプラスアカウント(@zassakuplus)で随時お知らせしております。真面目なものからとぼけたものまで、世の中のいろんな面白い雑誌を紹介していきます。フォロー&リアクションいただければ励みになります。
ここしばらく、現在準備中の人物情報データベース「じんぶつプラス」にリソースを割いているので登録誌数が減っていますが、数々のユニークな雑誌の登載準備を水面下で進めています。乞うご期待!
〇今井館教友会様提供分
内村鑑三の活動拠点として知られる今井館教友会様から、下記の雑誌目次の提供を受け「ざっさくプラス」に登録しました(4誌2824文献)
「橄欖」1(1948年1月)~21(1957年12月)
「札幌独立教報」146(1988年12月)~346(2009年6月)
「新約知識(新約知識社)」創刊號(1937年1月)~44(1944年3月)
「キリスト教社会問題研究(同志社大学)」1(1958年5月)~42(1993年7月)
〇独自登載分
「季刊京都」創刊号(昭和48年5月)~第1巻第3号 ※市民書房発行の、「月刊京都」の姉妹誌。宮坂宥勝、磯部太郎右エ門、河北倫明、八尋不二、依田義賢、国分綾子、翁久美らが寄稿。NDLには与謝野晶子特集の3号のみで、1号2号を補完して全号通しての検索が可能に。全3号か。
「季刊現代女性」創刊号(1974年12月)~第3号(1975年12月) ※汐文社発行の民主主義陣営の立場に立った女性誌で、編集長は黒川美富子。創刊号は「郷土玩具」、2号は「近代百年の女性たち」、3号は「日本女性史」を特集。国会図書館未所蔵。全3号か。
…続きはこちらから
【閉鎖するデータベースのデータ、お引き受けします】
弊社は、閉鎖予定のデータベースのデータを引き取り、続けて公開します。図書館関係者の方から「科研で作られた有益なデータベースが、教授の退官時や公開サイトの閉鎖時に消滅してしまうものが多い」という声を聞いての取り組みです。
過去にお引き受けしたものに「日本の参考図書WEB版」があります。
詳しいお話をお聞きになりたい方は、お問い合わせフォームよりご連絡ください。
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★皓星社出版ニュース
【新刊】
8月中旬刊行
『写真師 島隆 **明治・幕末を駆け抜けた日本女性初のフォトグラファー』**
蓑崎昭子著 46判並製 272ページ
島隆(しま・りゅう、1823−1899)、をご存知でしょうか。幕末の江⼾下町、⽇本女性で初めて「写真師」を名乗った⼈物です。隆は、4歳下の夫で、「和製ダ・ビンチ」とも呼ばれた島霞⾕(しま・かこく 1827-1870)とともに写真技術を⾝につけ、千葉や新潟を遊歴しました。霞⾕が⾦属活字の製造に成功した直後に若くして病没すると、それら幕末の写真、絵画、印刷活字などの史料を故郷・桐⽣に持ち帰り後世に遺しました。
1986年、群⾺県桐⽣市の島家⼟蔵から、隆が持ち帰ったそれらの資料、幕末から明治初期にかけての写真、絵画、印刷活字などの膨⼤多彩な遺品資料が続々と発⾒され⼤きな話題になりました。それらの資料が活⽤され、霞谷については研究が進む⼀⽅、隆については遺品を残した功績を中⼼に語られてきました。
しかし実は、帰郷後に桐⽣で写真館を開いたりマンガン鉱を売り出すなど、晩年まで気丈に生き抜いた女性でした。著者は、それら貴重資料の発⾒から現在に⾄るまで、ながく地元紙「桐⽣タイムス」の記者として隆を追いかけてきました。本書は、そんな著者がまとめた、初の「島隆」の物語。「霞⾕の妻」としてではない、⽇本⼥性初の写真 師・島隆の⼀⽣涯を描き、世界へ、未来へと繋ぎます。
【今秋刊行予定】
『新版 学校では教えてくれない差別と排除の話』
安田浩一著 金井真紀絵 46版並製 約240ページ 予価1800円
「なぜ中学や高校で差別や排除を教えないのだろう?」という著者の素朴な疑問をきっかけに生まれた名著をリニューアル、新版として刊行します!身近な差別と排除の問題を、豊富な現場での取材を元に語り、解決への道を示します。新版発行にあたって、新型コロナウイルス禍による差別や排除の問題などを加筆したほか、金井真紀さんとの対談を追加収録します。(リンク先は旧版のものです)
『エネ クアニ アイヌ100人のいま Ⅱ』
宇井眞紀子著 B5変型上製 120ページ予定
「撮影を通じてともに歩みたい」という想いから、30年以上にわたりアイヌの方々とその文化を写真に撮り続けてきた写真家・宇井眞紀子さん。本書は、そんな著者がアイヌの方々100人の、それぞれの「いま」を写す写真集プロジェクトの第2弾です。CFは多大なご支援をいただき、ネクストゴールという大きな目標も達成することができました。誠にありがとうございました。CFページでは、引き続き写真集や展示会の進捗状況をアップしていきますので、ぜひご覧ください。
クラウドファンディング:https://readyfor.jp/projects/ainusyasinsyu2
『ライトノベル・少女小説雑誌目次集成(仮)』
山中智省・嵯峨景子共編 B5判上製
「獅子王」「ドラゴンマガジン」「ザ・スニーカー」「電撃hp」「小説ジュニア」「コバルト」「小説wings」……現代日本のアニメ・マンガを中心としたサブカルチャーにおいて、ライトノベルや少女小説が重要な位置を占めるのは言を俟ちません。その誕生・発展にあたって雑誌が重要な役割を果たしてきましたが、どの雑誌に何という作品が載っているか、というような書誌的な情報整備は未だ手つかずのままでした。
本書はライトノベル/少女小説研究のそれぞれ第一人者を監修者に迎え、約30タイトルの雑誌の目次を1冊に集成!作品/作家/イラストレーターの索引を付します。最近、ざっさくプラスの登載雑誌にライトノベル雑誌が多かったのは、こちらに収載するため……というわけでした。
【書評・掲載情報】※リンクありのものはウェブ上で記事が読めます
『知られざる佐渡の郷土史家・蒐集家青柳秀雄の生涯とその業績』
「草の根研究会会誌」第3号 2025年3月(評・Takashi Kamikawaさん)
『パレスチナ、イスラエル、そして日本のわたしたちーー〈民族浄化〉の原因はどこにあるのか』
「週刊読書人」6月13日号(5/24今野書店さんでのトークイイベント 早尾貴紀×丸川哲史 「文明と野蛮」を問い直す の記録)
「図書新聞」7月5日号(評・守中高明さん)
『鎌田慧セレクション5自動車工場の闇』
「週刊金曜日」2025年7/11日号(評・粟野仁雄さん)
『調べる技術』『もっと調べる技術』
「東京新聞」大波小波 7/10
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☆ハッピーオウル社出版ニュース
窪島誠一郎著 古茂田杏子絵『ゆうやけこやけのえのぐばこ』原画展
8/5~8/11 Art Gallery 884 にて
日本が中国に攻め入っていたころ、日中両国の画学生の間にめばえた友情を描いた『ゆうやけこやけのえのぐばこ』。本書の刊行を記念しての原画展を開催します。
最終日8/11(月・祝)には、著者おふたりのトークイベントがあります。戦後80年の8月、ぜひご来場ください!
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★イベント案内
【刊行記念イベント・出店・書店様フェアなど】
7/19(土) ~ 20(日) 10:00~17:00
毎年楽しみにされている方も多い、本の夏祭りに初めて出店します! グループ会社のハッピーオウル社と一緒の出店です。
《ゲスト》19日(土)13時から、昭和ポップス研究家のさにーさん来場!
さにーさんとは、一緒に昭和ポップスに関する本を計画中。当日はさにーさんのZINEを販売します。
https://syowa-suki.com/
【選書フェアいろいろあります】
皓星社では、色々な選書フェアをご用意しています。ブックリスト(10〜100冊以上まで!)の中からお店向けのタイトルを選んでいただき、規模や時期はお店の都合に合わせて実施できます。開催希望の書店さま、いつでもお声かけください。リストやコメント付きの冊子など可能な限りご用意します。ご希望の書店様は こちら からご連絡ください。
『パレスチナ、イスラエル、そして日本の私たち』刊行記念フェア
“パレスチナ/イスラエル問題を「自分のこと」として考えるための23冊”
刊行前にしてSNSで大きな反響を集めた本書。長年にわたりパレスチナ/イスラエル問題の歪みを発信し続けている早尾貴紀さんの、最近のご活動を中心に、同著者の『イスラエルについて知っておきたい30のこと』(平凡社)とあわせての選書ブックフェアをご用意しました。
複数書店にてフェアのリーフレットを配布中です。
『書庫をあるく アーカイブの隠れた魅力』フェア
本書で取り上げた図書館・資料館、その館と関わった人々と関わる本を70冊リストアップ!書庫を通じて本と本、人と人が繋がる「書庫のいたずら」を、フェアで表現してみませんか?
『もっと調べる技術 国会図書館秘伝のレファレンス・チップス2』刊行記念「調べの本」50選
前著『調べる技術』刊行時に全国15店舗以上の書店様で開催して好評を得た、小林昌樹さんが選書したブックフェア「『調べる技術』の小林昌樹が選んだ「調べ本」50選」の第2弾!コメントをまとめた無料小冊子(とコメントポップ)もあります!
開催済店舗: 丸善丸の内本店 様/くまざわ書店武蔵小金井北口店 様/同志社大学生協今出川店 様/ブックファーストアトレ大森店 様/ジュンク堂書店立川高島屋店 様
などで開催され、好評を得ております。
【出版目録】
『皓星社出版目録』2023年10月時点で、在庫のある書籍300点弱を、書影・紹介文付きで収録しています。「書名索引」「人名索引」付き。 ご希望の方はこちらから。送料は無料です。
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☆近代出版研究所だより
今回の「趣味の近代日本出版史」で書きましたが、「近代出版研究叢書・資料編」第5弾として河原努編『出版社「ミニ社史」事典』を準備中です! 判型はこれまでと同じB5判ですが、まだ価格と頁数は未定……。間に合うのか!? コミックマーケット106の2日目、8月17日(日)の東ツ36aで頒布予定。残部は皓星社ウェブストアに掲載します。
『近代出版研究』4号、売り上げ好調です! 5号の準備もぼちぼち始めております。
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★ハンセン病資料館友の会だより
国立ハンセン病資料館が大好きで、応援したい!という市民の集まりです。皓星社の晴山が世話人の一人を務めています。市民の側からもいろいろなアプローチができるといいな、ということでイベントなど開催しています。次回の催しは秋の予定。新しいお知らせはこちらをご覧ください
Xアカウント:https://x.com/hansentomonokai
FaceBook:https://www.facebook.com/hansentomonokai
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☆「皓星社友の会」のご案内
ご好評頂いている「皓星社友の会」、2025年度(2025年7月〜2026年6月)が始まりました!
年度初めの申し込みが一番お得ですので、是非ご検討ください!
◉特典
・友の会割引 弊社のすべての出版物を、15%引、送料無料でご購入いただけます。
・皓星社主催のイベント参加割引
・ざっさくプラス利用権(基本プラン)
・ご希望の雑誌の目次をざっさくプラスに搭載(時期は相談)。雑誌を貸していただける場合は、入力データを提供します。
・お誕生日プレゼント(お好きな弊社の本を1冊プレゼントします。価格上限は皓星社友の会の一般価格になります)
◉価格
一般:年間12,000円 学生:6,000円 (税別)
※学生割引を希望する方は、ご所属大学ドメインのメールアドレスでお申し込み下さい。
詳しくはこちらの「皓星社友の会」をご覧下さい。
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★ 編集後記
今年も半分が過ぎ、下半期刊行書籍の準備を進めています。暑さと湿度とでかつてない食欲不振ですが、疲れれば疲れるほど食べるもの(というより胃と相談して食べられるもの)を自分で選ぶ大変さにぶつかります。高騰する物価に負けないよう、健康を目指します。(楠本)
ぼちぼち『近代出版研究』5号の準備を始め、今月中には特集の中核となるインタビューを予定しています。また、先月今月と初めてご寄稿をお願いする方、お2人とご対面。小林所長・森研究員と私の3人でお目にかかったのですが、話が盛り上がって、それぞれ4時間近く話し込みました。その分野の第一人者お2人による寄稿、私も楽しみです!(河原)
6月頭、「技術書典18」に行きました。「(主に)IT技術の本」のお祭りで、技術書版の文フリ、という感じ。私はエンジニアでも何でもないので、ほとんどは何が何やらサッパリでしたが、面白かったのは会場で紙版を買うと全てにPDF版ダウンロードの権利がついてくること。これは商業版元にはない思想でしょう。販売しているものが「情報」ならば、買った情報を「どの形態で」読むかは随時読者が自由に決められるというのは、いい仕組みだと思います(ただし逆=電子を買ったら紙をもらえる、は成り立たない)。既存の仕組みでなにかできないかなあ、など考えるともなく考えてます。ちなみに、「技術書典アプリ」なるものがあらかじめ用意されていて、決済もアプリでできました。財布を一度も出さずに本を買い回れて大変快適でした。さすが技術者集団のブックイベント!(晴山)
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